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院長ブログ

9価HPVワクチン接種 この1年間で学んだこと

9価HPVワクチン接種開始から1年経過し

当院では1200名を超える女性に接種しました。

 

多くの方に接種して、初めて見えてくるものがあります。

1200名のうち、実は多くは中国人女性なのです。

お国柄によるのか、中国人女性と日本人女性の接種者では、明らかに様子がちがいます。

 

日本人女性はティーンズが多いこともあってか、多くの場合、お母様が付き添っています。

心配そうなお母様と、不安そうなお嬢様が

ぐっと覚悟を決めて接種に臨まれます。

 

一方、中国人女性はよくお友達同士のグループで来院されます。

「ワクチン射つのが当たり前」のお国から来ているだけあって

「ねえねえ、ご飯食べに行かない?」というのと同じノリで

「ねえねえ、ワクチン射ちに行かない?」という感じです。

注射を射って「わー!」「きゃー!」「いたあい」と、

まるでホラーハウスを楽しむイベントみたいだし

「終わったら西早稲田でバナナジュース飲んで帰ろーよ」みたいな(笑)

皆さん、明るく朗らかです。

 

このように、同じ「HPVワクチン接種」でも、捉え方が全く違うのです。

この発想をワクチン啓発に使えないかなー、

中国人女性たちのように、ワクチン接種をハッピーなライフイベントに塗り替えられないかなー

などと企んでいます。

 

更に「子宮頸がんワクチン」というネーミングについても再考が必要と思います。

世界各国では、既に男の子へのHPVワクチン大規模接種がなされています。

女の子にだけ射っても、HPVは撲滅できませんので

我が国でも近い将来には男の子への接種もスタートさせなくてはなりません。

その時、「子宮頸がんワクチン」でいいのでしょうか。

女性の皆さん、考えてもみて下さい

いくら女性も感染リスクがあるウイルスであっても

例えば「前立腺がんワクチン」と言われて、「あ、射たなくっちゃ」という気になりますか。

ネーミングは大事です。