国家試験の終わった後 前編
私が受験した頃の医師国家試験は、3月半ばでした。
国試が終わると、見事にやることがありません(笑)
なので、みんな一斉に下宿を引き払います。
ちょうど今頃の時期でした。
医学生時代をずっと過ごしたところですので、一人暮らしとはいえ、そこそこ荷物があります。
家具類は留学生に譲り、必要なものを整理してまとめるのに丸1日かかりました。
見送られたりしたら、きっと泣いてしまうと思って
誰にも言わずに、ひっそりと三木町池戸を発ちました。
宅配便の発送を済ませ、携帯するものはバッグに詰めて
走行距離がとうに10万kmを超えた愛車に乗って、神奈川県にある実家に向かって出発です。
まずは香川医大に向かい、構内を1周しました。
慣れ親しんだ校舎に広大な駐車場 学食に体育館
テニスコートに、毎日陸上の練習をしたグランド。
「さよなら ありがとう」と心の中でつぶやきながら、大学を後にしました。
そして長尾街道を坂出に向けて、ひたすら西に走ります。
・・・・。
せっかく誰にも言わずに発ったのに
みるみる視界が曇って 危なくて運転できなくなりました。
途中何度も車を止めて、涙を拭いてまた進みました。
とっても時間がかかりました(笑)