保湿の話
まだ「寒い」という思いはしていないのに
かかとががさついて来ました。皮膚は正直です。
冬に向けて気になる保湿の話です。
数ある保湿剤の使い分けのコツについてお話します。
保湿剤の作用は、以下の2つです。
1 エモリエント作用:油性膜が皮膚表面を覆い、水分の蒸散を抑える作用
2 モイスチャー作用:皮膚に水分を補う作用
主なお薬の種類は、こんな感じです。
1 ワセリン・プロペト
よく軟膏の基剤として使われているものです。
エモリエント作用を持ちます。
ほぼ同じものですが、ワセリンから不純物を除いた高精製ワセリンがプロペトです。
ワセリンの方がしっかり肌につき、プロペトの方が延ばしやすいです。
冬場はこれが一番でしょう。
2 ヒルドイド系(ヘパリン類似物質)
使用感が良く、モイスチャー作用を持ちます。
当院で頻用している薬剤に関して説明します。
ヒルドイドソフト・ヒルドイドローション・ビーソフテンローションが
「クリーム・乳液・ローション」というイメージです。
他に泡のタイプのヒルドイドスプレーとヘパリン泡状スプレーがあります。
使用感の違いで、ヒルドイドスプレーはさらっと、ヘパリン泡スプレーはしとっとします。
また、顔にシュッと吹き付けるようなタイプのヘパリンスプレーもあります。
泡タイプは流れないので使いやすく
シュッとできるスプレーは背中など手が届きにくいところに向いています。
3 尿素含有系
ウレパール・パスタロン・ケラチナミンがあります。
尿素含有量がウレパールは10%、パスタロンは10%か20%、ケラチナミンは20%です。
モイスチャー作用に加え、角質軟化・剥離作用があるので
かかとのガサガサには一押しです。
4 ビタミン含有系
ユベラ・ザーネがあります。
ユベラはビタミンAとビタミンEを、ザーネはビタミンAを含んでいます。
ビタミンAには角化調節作用、ビタミンEには血行促進作用があります。
どちらもかかとのガサガサに一緒に塗ると良いのと、手荒れにも向いています。
ちなみに私は帰宅すると
顔はメイクを落としてエクサビタンハイケアエッセンスを塗り
ビーソフテンで保湿、ヒルドイドローションで更に保湿。
手を洗ってニベアを塗り、足も洗ってウレパールを塗っています。
毎日真面目に塗っていると、かかとのガサガサから解放されます。