避妊法の歴史
ピルができるまでには、実にいろんな形で避妊法がなされていたんですね。
「Contraception(Elsevier Sciens)」、北村邦夫先生のご著書「ピル」から引用です。
コンドームの起源は、なんと紀元前3000年のエジプトです。
ブタやヤギの腸や膀胱、魚の浮袋を使っていたと言われています。
古代では呪術のようなことがなされていました。
女性の足に猫の肝臓の入ったチューブを巻いたり、おへその周りに猫の精巣が入ったチューブを巻いたり。
ヤナギやポプラの葉や木の皮から作った「避妊薬」も存在しました。
中世になると、鉛、ヒ素、水銀などの劇薬に避妊効果があると信じられ
服用した女性が死亡することもありました。
他にも、膣の中にミョウバンを塗ったり、ライムやザクロなど果物の種を挿入したり
羊毛をまるめてワインを浸したもの、動物のフン、純金も使われていました。
1600年代後半になって、ようやくコンドームやペッサリー(子宮口にフタをするもの)が登場します。
避妊リングが使われ始めたのは1900年に入ってからです。蚕の内臓で作られていました。
日本でコンドームが発売されたのは、1909年です。
商品名は「ハート美人」「敷島サック」「突撃一番」「鉄兜」
ネーミングがユニークですね。
そして、ラッセル・マーカー博士が山芋(ヤム)に女性ホルモンに類似した物質が含まれていることに気づいたのは
この後の1940年代でした。
大学教授を辞して単身メキシコに渡り、採取と研究に没頭し、ついに合成黄体ホルモンの抽出に成功します。
黄体ホルモン剤が実験用に使えるようになり、ピルの開発につながっていきます。