私の目指す女性の全人的治療
例えば、無月経の患者さんがいらっしゃったとします。
まずは基本中の基本である問診をします。
いつからなのか、月経不順は今までなかったのか
内服中の薬や治療中の病気
無月経以外の不調の有無
妊娠している可能性はあるかどうか。
また、無月経の原因でよくあるのはダイエットですので
この点と、逆に体重が増えてないかもお聞きします。
ある患者さんは、よくお話をお聞きしたら
4月から勤め始めた新社会人でした。
慣れない勤務と職務の緊張感によるストレスが激甚で
食欲がなくなってしまったそうです。
さらに詳細にお聞きしたら、
朝起きると胃がムカムカして気持ちが悪いとのこと。
無月経は、女性ホルモン不足が引き起こす病態ですので
本来はホルモン補充が原則です。
ホルモン剤内服によって月経を起こして治療します。
しかし、です。
この患者さんの場合、必要なのはホルモン補充ではありません。
「朝起きると胃がムカムカする」という症状は、胃酸過多によるものであり
胃酸過多はストレスによって起きることはあまりにも有名です。
なので、この患者さんに必要なのは、制酸剤になります。
この時に、正確な制酸剤を処方できるのが婦人科臨床医の真の力量であり
私の目指す「女性の全人的医療」です。
「私も新人の時はそうでしたよ」のひと言も忘れずに(笑)