認知のちがいが生み出すもの
全く同じ場面に遭遇しても、ものごとの捉え方によって
思考や感情は大きく変わって来ます。
「バスに乗ろうとして停留所まで走ったけれど、
タッチの差で間に合わなかった」という場面に遭遇したとします。
Aさんは、怒ります。
「なによーあの運転手、こっちが走ってるの見えたくせに、ひどい!」
Bさんは、嘆きます。
「あ~乗り遅れてしまった。なんて運が悪いんだろう・・・」
Cさんは、笑います。
「うふふ、10分時間ができちゃった。そこのカフェにちょっとだけ行っちゃお!」
ねっ、全然しあわせ度がちがうでしょう?
これは「認知行動療法」という心理療法のイントロで使う
ものごとの捉え方=認知のちがいによって引き起こされる
思考や感情の差を端的に表したものです。
このコロナ騒動に際して、人による認知のちがいと
認知が引き起こす行動のちがいが、無情なほど顕著に表れていると思うのです。
ある都内のお花屋さんは、卒業式が中止になって余ってしまったお花を
近くの学校を卒業する生徒さんにプレゼントしたそうです。
一方でドラッグストアでは、マスクが買えないことに腹を立てて
「店員がマスクをするくらいなら客に売ってよ」と
心ない言葉を発する人がいるそうです。
デパートに勤めている友人が、あまりがちな生鮮食料品の社員割りを余分に買って
分けてくれました。
お返しに、医療機関お得意の除菌クロスを分けました。
お互い「ラッキー!」と明るく言い合いながら。
こんな時こそ、笑いましょう。
笑いが免疫力を高めることは、医学的にも証明されています。
まず自分が何でもいいから楽しいことをして、幸福感を味わい、笑いましょう。
そして隣のだれかを笑わせましょう。
何でもいいから、自分にもできそうな前向きなことをしましょう。
いつもは無言で買い物するコンビニの店員さんに声をかけたり
ご無沙汰の友達に「どうしてる?」メールしたり
これまでに買った通販グッズに、敢えてポジティブなレビューを書いてもいいかも知れません。
ワンテンポ置いて「お先にどうぞ」と譲ってみましょう。
コロナウイルスによって、人類は今、試されているのだと思います。