良い美容皮膚科の選び方
クリニックでは治療的な皮膚科が中心ですが
皮膚科診療を担う上での「一般教養」として
美容皮膚科の領域に関わって7年くらいになります。
内部や裏方にいると、それなりに内情がわかってきます。
そこで、時々患者さんに聞かれる「良い美容皮膚科の選び方について」です。
1 治療を始めるまでに考える時間を持たせてくれるところ
「今すぐ治療を受けると〇%オフ!」
「先着順限定〇名様まで半額!」
「今予約をしないと次はいつお取りできるかわかりません」
などと言って、直ちに治療開始を迫るところは要注意です。
誰でも顔にレーザーやメスを当てるのは怖いもの。
患者さんにその場で即決させないと、後で怖くなってやめてしまわれては困るので
「すぐ!」と迫るのです。
よーく考えて、それでも治療を受けたいと思ってからやるのがいちばんです。
2 カウンセリングは誰がやるか
多くの施設では、美容カウンセラーや看護師さんが相談にのってくれます。
何といっても話しやすいし、わかりやすいですね。
主に女性なので、ご自身が美容医療を受けているケースも多く
彼女たちの話は実感もこもっていて、とても参考になります。
でも、それだけでは不充分です。
治療を決める前に、必ず医師とも話す機会を持つようにしましょう。
行う医療に最終責任を持つのが、医師だからです。
3 スタッフの顔を見る
美人かイケメンか、ということではなくて。
美容医療に携わっていると
常に手元にボトックスやヒアルロン酸やスレッドリフトの糸があります。
「ちょっと試してみようか」と思ってやっているうちに
「ここのシワにもやってみよう」
「もっとヒアルロン酸入れるとふっくらするかも」
「もうちょっと糸入れちゃおうか」
なんてことになって、気づかない間に不自然な顔になってしまうことがあります。
芸能人で時々、仮面みたいな顔の人がいますよね。あんな感じ。
スタッフが変に美容医療慣れして感覚がマヒしていると
患者さんが不自然な顔になっても、気づいてくれないかも知れません。
4 センスの合うところを選ぶ
ひと口に美容皮膚科医療と言っても、患者さんによってニーズが違います。
「劇的に変身したい!」と思っている方もいれば
「誰にもわからないように少しずつフェイスリフトをしたい」という方もいます。
「自然なシワを残したい」という方もいれば
「可能な限りシワをなくしてほしい」という方もいます。
自分のニーズを正確に伝え
自分のセンスに合う医療をしてくれるのが大事、という視点を持ちましょう。
5 納得するまで何度でもカウンセリングをしてくれるところ
こんなことを言うと、修行先の美容皮膚科の人たちに渋い顔をされそうですが(笑)
何度もカウンセリングに来て、なかなか決めてくれない患者さんがいると
医療者も人間ですので「早く決めてくれないかなー」と思うことはあります。
でも、です。
早く決めてくれることよりも、患者さんが心から納得して医療を受け
美しくなった皮膚に満足して、笑顔で帰ってくれることが一番嬉しいのです。
「何度も行って悪くないかな・・・」と気が引ける人は
誰かに付き添ってもらいましょう。