海で溺れた
もの心ついた時には歩けたのと同じように
気がついた時には普通に泳げました。
実家から自転車で10分のところに鵠沼海岸があるので
毎年今頃の季節になると、観光客が少なくすいている時間を狙って
海に行っていました。
猿の子がひょいひょい木に登るのと同じように
小さな身体ですいすい泳いでいました。
もちろん速いわけでもフォームがきれいなわけでもありませんが
1時間くらいは平気で海に浮いていました。
それでも、溺れたことがあります。
9歳の時です。
遠浅の海岸で、沖に向かって歩いていたら
突然深みがあって、踏み外しました。
浮けばよいのに一瞬でパニックになり、もがいてしまいました。
海の水って、すんごく辛いんですよね。
たくさん海水を飲んでますます苦しくなって
「こわい、くるしい」となす術なくもがいていたら
近くにいたサーファーさんが、助けてくれました。
確か抱き上げられて、砂浜に横たえられたのだと思います。
げほげほと水を吐いて、少し楽になったところで
サーファーさんにお礼を言おうと思ったら
既に姿はありませんでした。
サーファーさん、ありがとうございました。
ちなみに溺れた時にもがくのは当然ダメで
「浮いて待て」だそうです。