ピルの学生割引制度を導入します
<戦時下、無麻酔の手術>
20数年前、医学生時代の病院実習の時の話です。
その時ローテートしていたのは消化器外科、
受け持った患者さんは、胃の手術を控えている高齢の男性でした。
海軍の兵隊さんだったそうです。
病歴を取る際にこれまで受けた手術をお聞きしたら、こうお答えになりました。
「虫垂の手術をガダルカナルで受けました。無麻酔でした」
いやはや。。。
とんでもない時代だったんですね。
<月経は自己管理できる>
時が流れ、痛みはコントロールできる時代になりました。
それと同じで、今では、月経もコントロールが可能です。
ピルはそのためのお薬です。
昔からある「避妊薬」としてのピルの役割はほんの一部で
実際は「生活改善薬」といって、より快適に過ごすためのプラスアルファのお薬という位置づけです。
「あまりお薬とかのまない方がいいのでは」
「自然な方がいいのでは」
「ピルは身体に悪いのでは」
よく受ける質問ですが、なにごとも程度問題です。
人為的過ぎるのも、自然であることにこだわり過ぎるのも、どちらも得策ではありません。
たしかにピルをのむと完全に自然な状態ではなくなりますが
以前「偽妊娠療法」と呼ばれていたように
妊娠したのと同じような状態にするのがピルです。
妊娠、身体に悪いでしょうか?
<ピルの学生割引を導入します>
ホルモンを上手にコントロールして月経を自己管理し
より良いパフォーマンスを手に入れて、若い女性たちにより活躍してほしい。
避妊を男性任せにせず、自分の意志でコントロールする習慣をつけてほしい。
月経にふりまわされず、ポジティブに過ごしてほしい。
こんな思いから、なでしこ女性診療所ではピルの学生割引制度を導入することにしました。
ピル先進国のオランダでは、14~16歳のティーンズに国費で配布されています。
それには遠く及びませんが、いち開業医の私に一体何ができるのか、考えてみたのです。
金銭的なハードルを下げるだけではなく
ピルが若い人に安心してのんでもらえるものだということを、知ってほしいのです。
日本の若い女性たちが、一歩、世界の女性たちに近づけますよう。