ピルの連続投与という選択(1)
私たちは、「月経はひと月に1回くるもの」と刷り込まれていますが
実はそうでなくても良いのです。
ひと月に1回ということは、1年で12回ですね。
それが1年に11回だったらどうでしょう?
ま、11回ならいいか、っていう感じですよね。
じゃ10回は? これもまあいいかな。
1年にゼロ回。さすがにこれはまずそうだ。
「では一体、1年に何回ならいいんだろう?」
この発想から生まれたのが、連続投与タイプのピルです。
連続投与タイプ、つまりのんでいる間は月経がこない仕組みのものです。
現在、日本で発売されている連続投与タイプのピルは2種類あります。
最大約4か月まで連続内服できるヤーズフレックスと
約3か月間連続内服できる、ジェミーナです。
どちらもなでしこ女性診療所で取り扱いがあります。
月経の回数が減るとどんないいことがあるでしょう。
ちょっと考えると、いろいろありそうですね。
めんどくさくない。
ナプキンかぶれなどの皮膚トラブルが回避できる。
あの生理痛から逃れられる。
PMSやPMDDが起きる頻度が減らせる。
まだまだ他にもありそうです。
Q 4か月も生理を起こさなくて大丈夫?
A 大丈夫です。ピルは「偽妊娠療法」とも呼ばれているように、のんでいると妊娠しているのと同じような状態になります。妊娠したら月経が来ないのと同じように、薬をのんでいれば月経が来ないという仕組みなので、心配いりません。
Q その分、生理痛がひどくなったり生理の量が増えたりしませんか?
A しません。のんでいる間は子宮内膜が厚くならない仕組みなので、経血も増えないし生理痛も重くなりません。
Q 避妊効果はありますか?
A 日本では未承認ですが、海外では避妊薬として承認されています。
Q のむのをやめたら妊娠できますか?
A はい。やめて1サイクル目の妊娠率が約20%、1年の妊娠率が約80%です。
「毎月生理が来た方が避妊成功が確認できてよい」
「来るべきものが毎月来ている方が落ち着く」
という方は、従来のピルがいいかも知れませんね。
(つづく)