殻むき要員の思い出
大学に入学して、そろそろ体育会な軟式テニス部にも慣れてきた今頃のことです。
とにかく面倒見のいい先輩方で
楽しいことならもう何でも、これでもかと言うくらいやらせてくれました。
ある日連れて行ってもらったのが、時間制限つきカニの食べ放題です。
学生には贅沢ですが、先輩方は絶食をした上で、体育会の気合い丸出しで臨んでいました。
私がカニが食べられないと知るや、すぐさま食べ放題隊に加えられました。
殻むき要員です(笑)
当時は数少ない女子で自炊できる程度の食材処理能力があり
体育会的気の利かせ方もそろそろ身についてきて
本人はカニ食べないとなったら、それはぴったりでしょう。
でも一人分余分にお金払わなきゃならないのに大丈夫かな?と思ったのですが・・・
当日。
獣のような空腹を抱えて気が立っている先輩方にひっ立てられて、食べ放題へ。
一皿目のカニが届くまでの間の殺気は、まるで試合前の闘犬会場のよう(笑)
いざカニが来たら、食べる食べる食べる!
殻まで丸呑みするんじゃないかという勢いで、額の血管を怒張させて
怪獣のように食べ始めました。
これはとても追いつかないと、必死で殻をむくのですが、
ふと慣れてくると、何も口にしないので少々退屈してきて「美味しいですか?」と聞いたら
「話しかけるな!!!」
と怒られてしまいました(笑)
そうですよね、先輩方は口が忙しいわけで。
2時間ノンストップで食べ続けた後
帰り道で、街角で湯気を立てて売っている特大肉まんを買ってくれました。
試合の後のようで、無茶苦茶おいしかった思い出が(笑)
今でも殻つきのカニを見ると、あの食べ放題隊の殻むき要員を思い出します。