ピルの基礎知識

FAQ

薬を使うのって、なんとなく怖い・・・日本ではまだまだ使用率が低く、いろいろなイメージがあるピルですが、ピルとはそもそもどういうものなのか、ピルの基礎知識をお伝えします。

FAQ

ピルについて

ピルは1960年代アメリカで、経口避妊薬として開発された薬でした。全世界では1億人以上の女性がピルを内服しており、オランダでは14~16歳のティーンエイジャーに無料で配布されています。使用状況は国ごとに大きく異なり、アメリカでは1200万人、イギリスでは生殖年齢の約1/3の女性が内服しています。

ピルの歴史

1930年代の半ば、アメリカのルッセル・マーカー博士がノースキャロライナで採取した山芋(ヤム)に生理痛を和らげる物質(植物性ステロイド)が含まれていることを発見したことがはじまりです。ピルは1960年代にアメリカが経口避妊薬として世界で初めて認可しましたが、胃腸障害や血栓症などのリスクが問題視されていました。これは当時は高用量ピルを使用していたためで、この副作用を改善し、1973年に初めて低用量ピルが開発されました。

効果の仕組み

ピルは、卵巣でつくられるエストロゲン・プロゲステロンという女性ホルモンが配合されたお薬です。内服することによりホルモンバランスを調整し、脳に「妊娠した」と認識させる効果があります。脳が「妊娠した」と認識すると排卵が起きないため、避妊薬として使用されています。効果は服用期間のみですので、服用をやめると服用前と変わらない状態となります。
どうして避妊効果があるの?
どうして生理が軽くなるの?
通常、増殖した子宮内膜の中にはプロスタグランジンという物質が含まれており、この物質が月経時の子宮収縮を促すと同時に痛みも引き起こします。ピルに含まれているホルモンは、通常の生理周期と比較し、子宮内膜の増殖を抑えます。したがってプロスタグランジンも抑えられピル服用中の出血や出血前後の痛みは、通常の月経と比べて少なくなります。まれに出血がゼロになることもあります。

対象となる人

働いている女性の7割が生理痛を感じており、3割は仕事に支障があると言われています(※働く女性の健康に関する実態調査)。中にはベッドから起きられないという方もおり、働く女性にとっては大変深刻な問題と言えます。ピルは生理が始まった思春期からのみ始めることができ、40代でも服用することができます。

以下に当てはまる方はピルを服用することができません。詳しくは医師にご相談下さい。

35歳以上で1日15本以上の喫煙者
前兆を伴う片頭痛のある方
中等度以上の高血圧のある方
静脈血栓症、肺塞栓症、冠動脈疾患及び既往歴のある方
コントロールのつかない糖尿病の方
乳がんの方
重篤な肝障害、肝臓がん、肝腫瘍(良性、悪性)の方
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